プラチナカードといえば、少し前まではカード会社からインビテーションを受けなければ入会できないものが多かったが、ここ数年で申し込みでも入会できるプラチナカードが増加。もちろん審査を通過しなければ保有できないが、ユーザーにとっては選択肢が広がりうれしい状況となった。
上に紹介したカードは、現在誰でも申し込み可能なプラチナカードで、いずれもコンシェルジュサービスを付帯している。コンシェルジュサービスとは、24時間年中無休でユーザーの要望に応えてくれる会員専用デスクのこと。
航空券・ホテル・レストランの案内から手配、旅行プランのサポートや旅先でのトラベルアシスタンス、買いたい商品がどこに売ってるかわからない場合の販売店探しなど、基本的にカード利用を前提とする内容であれば、たいていのことは相談に応じてくれる。利用者に話を聞くと、人と人とのやりとりのため、ある程度の相性はあるものの、あまりの使い勝手のよさからクレジットカード最強の付帯サービスと呼ばれることも。
しかし、プラチナカードだからといって、必ずしも高級なホテルを手配してもらったり、高額なものを買わなければいけないわけでもない。確かにカード会社と提携を結んでいるホテルであれば、アップグレードやレイトチェックアウトなどの特典が付く場合もあるが、予算さえきちんと伝えておけば、それに見合ったものを手配してくれるので、必要以上に見栄を張ることはない。
むしろ、やりとりはデータベースとして蓄積されていくので、自分の好みなどをできるだけ正確に理解してもらったほうが、希望にあった回答をもらえることも増えるだろう。
では、実際にプラチナカードを取得するにはどうすればいいだろうか。冒頭で申込できるプラチナカードが増えて選択肢が広がったと書いたが、これはどちらかといえば高所得者や有名企業社員など、属性が高く審査に通りやすい人の話。審査基準が「原則20才以上で、安定した収入のある方」となっているMUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードなどは、試しに申し込みをしてみる価値はあるが、あまり属性が高くないようなら、下位カードで利用実績を積んでインビテーションを狙ったほうが審査に通る可能性は高いだろう。
右下の表は主な招待制のプラチナカードとその下位カードの一覧。インビテーションが発行される基準はどこも非公開で、インターネットなどにはさまざまな憶測が入り乱れているが、基本はまず下位カードを持ち、毎月コンスタントに利用すること、そしてできるだけ利用額を上げること。ひとつ参考になる例として、JCBザ・クラスの下位カードであるJCBゴールドザ・プレミア(招待制)は、JCBゴールドで2年連続100万円以上利用することがインビテーションを受けるための最低条件。すなわち、順当に考えればJCBザ・クラスのインビテーションを受けるためには、それ以上の利用実績が必要ということになる。
また、憶測になってしまうが、丸井グル-プの工ポスプラチナカードのようなカードの場合は、マルイでの利用を増やすことがプラチナ取得への近道と考えるのが自然。表には掲載していないが、トヨタの高級車レクサスのオーナーしか申し込めないレクサスカードの例からも考えると、利用促進や顧客サービスとしての意味合いも持つカードに関しては、グループ内での利用を増やすことがプラチナ取得への近道となるだろう。
実際の保有者に話を聞くと、多くの人がいくつかのコンシエルジュを利用してみて、最終的に自分に合ったものだけを残しているという。年会費も年会費なだけに投資額もバカにならないが、最高のカードライフを送るためにも、いろいろなプラチナカードに挑戦して、一生つきあえるカードを見つけよう。
コンシエルジュの話をする際に良く耳にする「VPCC」という名前。これは「Visaプラチナ・コンシエルジュ・センター」の略で、Visaが提供するプラチナサービスのひとつ。VisaブランドのすべてのプラチナカードがVPCCを使えるわけではなく、Visaにコンシエルジュ業務を委託しているカードのみが利用できる。
最大の特徴はネット上からも問い合わせができること。メールでのやり取りも可能で、電話する時間がとれない人などから好評を得ている。複数のコンシエルジュを比較してみたければ、ぜひ一度利用してみよう。